2020/06/18
当社では、看護研究の領域で、質的研究のための逐語録の作成を行っています。
それにとどまらず、お客様(研究者)のご要望によってコード化・カテゴリ化にも対応しています。
この質的研究で重要になるのはバイアスの除去です。
はじめに、お客様が、例えば患者さんや新人看護師などにインタビューをし、そのインタビュー音声をもとに当社が逐語録を作成し、コード化・カテゴリ化をしていきます。
研究の当事者であるお客様がインタビューをする時点で、なんらかの(おそらくは研究をやりやすくしようとする)バイアスは、その多少はさておき、かならず働きます。
無意識バイアス(unconscious bias)という言葉があるように、バイアスは無意識・無自覚にかかるものですので、意識的にそのバイアスをなくそうとする必要があります。
だからといって「バイアスをなくそう」と意識をし過ぎると、なんだかインタビューが違った偏り方をしてしまいますし、この辺は難しいところですね。
コードとカテゴリについても、近いことが言えるのかなと思っています。
逐語録をコード化するとき、インタビューの時ほどではなにしろ、無意識的にどうしても自分の都合の良いようにコーディングしてしまいがちになると思うんです。カテゴライズも一緒ですね。
このあたりは、どれだけ客観視できるかということによってきます。
その意味で、コード化・カテゴリ化を第三者が行うのは、バイアス除去の観点からは良い手段なのかなと思います。
(インタビューを第三者がやるのも、どなたにやってもらおうという話にはなりますが、一考かもしれません。)
今、当社が考えているのは、コード化・カテゴリ化するときに、ある程度自動で、バイアスを除去する仕組みです。
といってもウルトラCはなく、結局、「分散」かなと思っています。
お客様が行ったインタビューを、第三者である当社が逐語録作成→コード化→カテゴリ化と進めるため、お客様がおひとりで行うよりも、程度のバイアスは除去できています。
あとは、当社内でコード化・カテゴリ化を行う担当者を複数名にして、バイアスの可能性を分散させることで、かなりバイアス除去に貢献するのではないかと思います。それとも、できあがったコード化・カテゴリ化を、その時点までまったく本件にかかわっていない担当者に精査・修正させるというのも、良い効果を上げられると予想しています。
と、このようにまだバイアス除去に完璧な手段を見出していませんが、少なくともお客様がすべてを行うよりも第三者が関わったほうがバイアス除去に貢献することは間違いありませんので(あとは、お客様の手数が減るという意味でも)、そのあたりで当社の存在意義が出てくるのではないかと思っています。
よろしければご連絡ください。
インタビュー 看護研究 逐語録の作成
https://www.osaka-p.com/tape/interview.html